Vol.232
2018年12月24日 公開
11月下旬に「来訪神:仮面・仮装の神々」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。
2009年に単独で登録された鹿児島県の「甑島(こしきじま)のトシドン」に9行事を新たに加えて一つの遺産として申請していたものが登録されたとのことで、登録後は地元関係者の喜びの声がニュース番組などで紹介されていました。
登録された行事のほとんどが初めて知ったものだったのですが、個人的に印象に残ったのが南の島の来訪神でした。
特に沖縄県宮古島のパーントゥは、怖い仮面を付けて蔓植物をまとい、井戸の底に溜まった泥を全身に塗って現れ、逃げ惑う人にも容赦なく泥を塗りたくって厄をはらうという伝統行事。
その時期に宮古島を訪れるのは覚悟が必要ですね。
来訪神は、大みそかや正月などに集落や家を訪れて怠け者を戒め、人々に幸福をもたらすという神々のことで、その地域の皆さんが異形の神に仮装して行う場合が多いようです。
人々に幸福をもたらすという意味では、本日の出番を前にスタンバイしているサンタクロースも来訪神の一人(?)と言えるかもしれませんね。
サンタクロースが本当にいると信じていた幼い頃。その役割を担っていたのが父や母だとわかったのは小学生になってからのことでした。
少年時代を過ごした地区はカトリック信者の家が多かったため、日曜日の朝はミサに出かける友だちも多く、クリスマスにその一人に誘われて浦上教会に行き、マリア様のカードをもらったことを今でもおぼえています。
今日はクリスマス・イヴ。慌ただしい年の瀬ですが、大切な人と一緒に思い出に残る楽しい聖夜をお過ごしください。
今年もウェブサイト「おらしょーこころ旅」をご覧いただきありがとうございました。来年もよろしくお付き合いください。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)