おらしょ こころ旅

Vol.225

歴史学の話

2018年11月5日 公開

人は何年くらい前のことを「懐かしい」と思うのでしょうか。

20歳の人にとって小学生のときの思い出は懐かしいのでしょうが、80歳の人が10年前の70歳の頃を振り返ってみても懐かしいとは思わないかもしれませんね。

そんなこともあったね、と思う程度でしょうか。「懐かしい」は生きてきた年数やその人の感覚によって異なるようです。

もはや懐かしいと感じる人さえいない、つまりその時代を生きた人がこの世にいない場合は歴史をひもといて知るしか方法はないのでしょうね。 

タイムスリップしてある時代にたどりついてしまったというのは映画やテレビドラマなどでよくある設定ですが、「タイムマシンに乗ってどこかに行くことができれば、どんな時代に行ってみたいですか」などと問われると返答に困ってしまいます。

なぜかというと、大化の改新や鎌倉幕府の成立、関ヶ原の戦いや本能寺の変など、日本の歴史の主な出来事は戦いと争いだらけだからです。

もちろん長崎の西坂で26人の宣教師や信徒が処刑されたり、潜伏キリシタンが迫害を受けたりした時代にはもちろん行きたくありませんしね。

私たちは歴史を通して社会のあり方や、人としての生き方を学んでいます。そう、歴史は未来をつくるための学問といえるのかもしれません。

高校時代、やみくもにおぼえた歴史上の出来事。

これからは歴史の表舞台には登場しないけれど、私欲にまみれず人々に手を差し伸べた名もなき人々の生き様にもふれてみたいなぁと思うのです。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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