Vol.223
2018年10月22日 公開
今年は大型台風が次々と日本列島を襲い、全国各地で甚大な被害が続いています。
このコラムを書いている今も台風が久米島の沖合を北上し、九州北部に接近しています。
もっと小さくなれ、もう少し弱くなれと願わずにはいられません。
近年は台風に加え、地震や豪雨による土砂災害が相次いで発生するなど、想像を越えるような天変地異が日本で、いや世界中で起きています。
その原因のひとつが地球温暖化だと言われていますが、果たしてそれだけなのでしょうか。
大自然はまるで怒ったように猛威をふるい始めています。
人間は古代から自然とともに生きてきました。その豊かな恵みに感謝し、その脅威に畏怖の念を抱きながら生きてきました。
禁教期、人里離れた未開の地に移住し、貧しい生活を営みながらひそかに信仰を続けてきた潜伏キリシタンたち。その中には古くから信仰の場とされてきた山岳や島などを崇敬してきた人たちもいました。
その顕著な例が平戸島西海岸にある春日集落です。
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の12の資産やゆかりの地を訪ねてみると、人々の自然に対する謙虚な姿勢や崇高な精神にふれることができます。
私たちはどんな地球を未来に残すことができるのでしょうか。
その答えを導きだすときがもうそこまで来ているような気がします。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)