Vol.218
2018年9月17日 公開
今日は「敬老の日」です。敬老の日は、1947年9月15日、現在の兵庫県多可町八千代区で行われた敬老会がそのはじまりだといわれています。
当時は戦後の混乱期で、子どもを戦場へ送った親たちの精神的な疲労は大きく、そうした人たちの心をいやし、元気を出してもらうために開催されたようです。
ふるさとの復興には残された年配者の力が必要だったのでしょうね。
キリスト教が禁止されていた日本においても、宣教師がいないなか、信徒たちを導いた経験豊富な人たちがいました。
1644年に国内で最後の宣教師が殉教したあと、残されたキリシタンは民衆レベルの共同体を維持しながら潜伏して信仰を続けました。
その組織の中心的な存在が、帳方(ちょうかた)、水方(みずかた)、聞役(ききやく)の三役でした。
帳方は、教会暦や宗教書を所有し、祈りや教義などを伝承する組織の最高責任者。水方は洗礼を授ける役。聞役は水方の補佐的な役割を担っていました。
長崎地方で帳方、水方、聞役と呼ばれた指導者たちは、若干役割は異なるものの、平戸市生月ではオヤジ役、オジ役、役中と呼ばれていたそうです。
その呼び名からすると、三役はある程度の年齢だったのでしょうが、平均寿命が今よりも長くないことを考えると、40歳から50歳代だったかもしれませんね。
今年も誰かが祝ってくれそうな敬老の日がやってきましたが、80歳代の方に言わせると60歳代はまだまだ「ひよっこ」だそうです。
今年の七夕の短冊に書いた「立派な年寄りになりたい」――これを実現するための学びの人生はまだまだ続きます。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)