Vol.210
2018年7月23日 公開
16世紀半ばから始まった南蛮貿易によって日本には鉄砲やキリスト教、医学や天文学、地球儀、カステラなどさまざまな文化がもたらされました。
その一つ、香味にネギや唐辛子などを用いたり、油で揚げたりして作る南蛮料理は日本人の食文化に大きな影響を与えました。
鴨南蛮、カレー南蛮、南蛮漬けといった料理が今もしっかりと根づいていることからもわかりますよね。
日本料理だと思っている人が比較的多いかも知れない天ぷらも実は南蛮料理がルーツだそうです。
その語源は、ポルトガル語で「調理」を意味する「tempero」であるとか、スペイン語で「鳥獣の肉ではなく魚の揚げ物を食する日」を意味する「templo」であるなど諸説があります。
7月23日は「天ぷらの日」。今日が二十四節気の一つ「大暑」にあたることから、天ぷらを食べて元気に夏を乗りきろうという意味が込められているようです。
天ぷらといえば、徳川家康の死因が鯛の天ぷらの食べ過ぎだったという説がありますが、天ぷらを食べてから亡くなるまでに三か月ほどあったことから近年では胃ガン説が有力とされています。
家康が亡くなったのは、禁教令が全国に発布されてから2年後の1616年。すでに引退したあとでした。
夏バテ防止の食べ物というと鰻の蒲焼や焼肉が挙げられますが、今年あたり天ぷらはどうですか。イカの天ぷら、うまいですよねー。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)