Vol.195
2018年4月9日 公開
無類のごはん好きの僕がいうのですから間違いないと思いますが、最近のパンは本当においしいですね。
どこのパン屋さんのどの商品を食べても当たり外れがないというか、うまい! パン党が多いのもうなずけます。
4月12日は「パンの記念日」。1842年のこの日、江川太郎左衛門という代官が「兵糧パン」と呼ばれるパンを日本で初めて本格的に製造したことから1983年に制定されたそうです。
兵糧パン製造のきっかけとなったのが中国で起きたアヘン戦争。日本に外国軍が攻めてくることを恐れた徳川幕府が備えとしてパンづくりを命じたとか。
米飯は炊くときに煙が出るので敵に居場所がわかってしまうし、パンのほうが保存性、携帯性にすぐれているというのがその理由だったようです。
発酵したパンが日本に登場するのは1543年の鉄砲伝来以降のことで、キリスト教の布教のためにやってきたイエズス会の宣教師が伝えたといわれています。
しかし、当時の日本人の口に合わなかったことや、キリスト教と密着していたことなどから長いあいだパンは敬遠されてきました。
日本でパンが受け入れられるようになったのは、1874年にアンパンが開発されてから。その後、次々と菓子パンがつくられるようになり、パン食が定着するようになったそうです。
今日、明日は小中学校の入学式。どこかのパン屋さんでは門出を祝う春らしい新作が店頭に並んでいるかもしれませんね。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)