Vol.187
2018年2月12日 公開
先月は、長崎でも6センチの積雪を観測し、数年に一度の寒波が日本列島を襲うなど各地に大きな被害をもたらしました。まだまだ冬本番、風雪などにはくれぐれもご注意ください。
ここ数年、雪が降るたびに滑りにくい長靴を購入しようと思うのですが、なかなか見つけることができずにあきらめてしまいます。地球温暖化とともに寒冷化も進んでいるそうですから早めに購入したいものです。
雪といえば、雪合戦や雪だるまを連想しますが、最近はキリシタン関連遺産を訪ねる機会が多くなったせいか、「雪のサンタマリア」という言葉が浮かんできます。
「雪のサンタマリア」は外海の潜伏キリシタンが隠し持っていた聖画で、バスチャン暦の「8月5日 雪のサンタマリアの祝日」に用いたと伝えられています。
「8月5日」なのになぜ「雪」なのでしょうか。それは4世紀のローマ教皇リベリウスの伝説がもとになっているようです。
ある日、教皇リベリウスは夢の中で「夏に雪の降った場所に教会を建てよ」という聖母マリアのお告げを聞きます。
翌日、彼がその丘に登ると、夏なのに雪におおわれた場所があったため、彼はそこにマリアに捧げる教会を建てたそうです。
それがイタリアのローマにあるサンタ・マリア・マジョーレ大聖堂。ローマでは数世紀にわたって8月5日を祝日として祝っているとのこと。
長い迫害の時代を超えて守り伝えられてきた「雪のサンタマリア」。この貴重な聖画は、日本二十六聖人記念館に所蔵されています。興味のある方はぜひごらんください。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)