おらしょ こころ旅

Vol.186

こたつの話

2018年2月5日 公開

冬の暖房といえば昔は「こたつ」でしたが、最近のこたつ事情はどうなっているのでしょうか。

僕が学生の頃は、友人の部屋にはほとんどこたつがあって、そこで勉強したり、議論をしたり、トランプをしたり、麻雀をしたりして過ごしました。そうそう、よく鍋料理を囲んで宴会もしましたね。

こたつの歴史は古く、室町時代にさかのぼるようです。火力を落としたいろりの上にやぐらを組み、そこに布団をかけたものが起源だそうですが、当時としては画期的なアイデアだったのでしょうね。

やがて掘りごたつなどが登場してくるのですが、それでもその頃の住まいや衣類のことを考えると、今とはくらべものにならないほど寒かったと思います。

今日は、日本二十六聖人殉教の日。1597年2月5日、豊臣秀吉のキリシタン禁教令によって京都や大坂などで捕らえた日本人20人、外国人6人が長崎の西坂の丘で処刑されました。

極寒の中、長崎まで裸足で歩かされたにもかかわらず、彼らは見物に訪れた群衆の前で泣き叫んだりすることもなく、深い祈りとともに旅立ったといわれています。

彼らはどうして誰も恨むことなく死を迎えることができたのでしょうか、心の中にはどんなパライソ(天国)が描かれていたのでしょうか・・・。

去年と同じようなことを考えながら、今年も西坂の丘に続く坂道をとぼとぼと歩いていくのでした。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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