Vol.169
2017年10月2日 公開
今日10月2日は「国際非暴力デー」。インド独立の指導者で、非暴力を説いたマハトマ・ガンディー(ガンジー)の誕生日にちなみ、2007年6月の国連総会で制定されたそうです。
ガンジーといえば、誰もが認める人格者というイメージですが、子どもの頃は成績も素行も悪く、ヒンドゥー教の戒律を破ったり、お金を盗んだりしたこともあったようです。
18歳で弁護士になるためにロンドンに留学した彼は、卒業後に南アフリカで開業し、インド系移民の法的権利を守る活動を行っていました。
そしてインド帰国後は「非暴力、不服従」を旗印にイギリスからの独立運動を指揮し、インドを独立へと導くのですが、1948年、狂信的なヒンドゥー原理主義集団に襲撃されてしまいます。
銃弾に倒れたガンジーは、イスラム教で「あなたを許す」という意味のある動作、自らの額に手を当ててこの世を去ったといわれています。
「私は太閤様(秀吉)も役人様も死刑にかかわるすべての人を許します」。1597年2月、長崎の西坂の丘で殉教したパウロ三木の最期の言葉に重なります。
非暴力運動で大切なことは、自分の中にある臆病な心を乗り越えること、逃げない勇気をもつことだと主張したガンジー。
この平和主義的手法は、その後の人権運動や植民地解放運動に大きな影響を与えました。
握り拳と握手はできない。
これは彼がのこした言葉のひとつですが、時を超えたメッセージとして心に響きます。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)