Vol.168
2017年9月25日 公開
還暦を迎える頃になると、学生時代の友人から「今度、みんなで集まろう」という連絡がよくきます。
それは4、5人、多くて7、8人の仲間が集まる気軽な飲み会で、お酒が進んでくると、決まって恋愛話や喧嘩にまつわる武勇伝が登場します。
ロマンスとバイオレンスは、昔の若者にとって勲章のようなものだったのでしょうね。
喧嘩の話の中には漫画に出てくる決闘シーンのような派手なものもあるのですが、話を聞いていて思うのが、殴ったほうより殴られたほうがよく覚えているということ。
そういえば自分が傷ついたことはよく覚えているけれど、誰かを傷つけたことは案外忘れていることが多いような気がします。
ひょっとして今も誰かを傷つけていて、自分では気づいていないこともあるのかもしれませんね。
ということで、遅ればせながらその日を振り返り、自分の心を掘り起こしてみることにしました。
掘り起こすといえば、今月初め、諫早市多良見町にある千々石ミゲル墓所推定地からロザリオの一部とみられる玉が見つかったそうです。
千々石ミゲルは、安土桃山時代にヨーロッパに渡った天正遣欧使節のひとり。まだまだ謎もあるのでしょうが、発掘調査によっていろんなことが明らかになっていくのはロマンがあっていいですね。
一方、現代人には・・・、いや、少なくとも僕には、内緒にしておきたい過去もありますけどね(笑)。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)