Vol.16
2014年10月13日 公開
長崎がんばらんば国体が開幕しました。45年ぶりに長崎県で開催される国民体育大会。45年前というと1969(昭和44)年。当時につながる記憶の糸をたぐり寄せると、マスゲームの練習をしている男子高校生の映像が浮かんできました。
たたみ一畳ほどのマットを使ってさまざまな演技をするものだったと思いますが、どうもその演技を国体の開会式で披露した記憶がないのです。いったい何のために練習をしていたのでしょうか。今回の国体が近づくにつれてそのことが気になりはじめていました。
そんなある日、長崎歴史文化博物館(長崎市立山)で開催中(11月3日まで)の「長崎スポーツ博覧会」のポスターを見てハッとしました。あのときのマスゲームの写真がそこにあったからです。「長崎スポーツ博覧会」は、長崎県のスポーツの歴史や、長崎ゆかりのアスリートの品々などを展示している企画展。会場では45年前の国体の映像も流れていました。
そのなかに数秒だけ登場したマスゲームの映像。これを見て記憶がよみがえってきました。このときぼくらは高校3年生、国体の開会式で演技を披露していたのはひとつ年下の2年生。つまり、ぼくらは国体のリハーサル要員として練習を重ね、後輩にバトンタッチしていたというわけです。
国体で演技を披露できなかったのは残念ですが、地元で国体を開催するには、これほど入念な準備が必要だということなのでしょうね。今回も多くの人々の参加と協力によって開幕した長崎がんばらんば国体。このスポーツの祭典をより楽しむためにも、長崎歴史文化博物館で開催中の「長崎スポーツ博覧会」にぜひおでかけください。
そうそう、長崎歴史文化博物館は、かつて長崎奉行所立山役所があった場所に建っています。1601年にはこのあたりに墓地を備えた立派な「山のサンタ・マリア教会」があったそうです。博物館の裏門に続くイベント広場には教会跡の石碑が建っていますよ。お見逃しなく。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)