Vol.155
2017年6月26日 公開
こんにちは。今週も先週に引き続き「伴天連(バテレン)追放令」についてご紹介します。
さて、伴天連追放令の原本が平戸市の松浦史料博物館に所蔵されていることは先週お話ししましたが、いったいどのような
内容だったのでしょうか。
原文は、私にとってはちんぷんかんぷんでしたので、ここでは「大意」として一般に紹介されている現代文をアレンジしてお届けしましょう。
<日本は自らの神々によって守られている国ですので、キリスト教の国から邪法をさずけるなんてまったくもってけしからんことです>
<大名がその土地に住む人々にその教えを知らせて信者にし、寺社を壊させるなどけしからんことです>
<諸国の大名は、天下から言い渡された法律に従っていろんなことを実現しなければならないのに、それをしないというのはけしからんことです>
<日本にキリスト教徒を住まわせることはできないので、今日から20日間以内にキリスト教の国に帰りなさい。また、キリスト教徒であるのに自分はそうではないと言い張るのはけしからんことです>
<貿易船はこれとは別で日本に商売にきているわけですから、今後も商売を続けてもいいですよ>
<これからは国法を妨げるのでなければ、キリスト教徒の国と日本を行ったり来たりするのは問題ありません。商人でなくてもそれは許可します>
「けしからん」と「いいよ」がうまい具合に登場していますね。
天下人に都合のいいお達し・・・
どこか現代に通じているように感じるのは私だけでしょうか。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)