Vol.153
2017年6月12日 公開
かゆいところに手がとどくとか、空気のような存在だとか、長年連れ添った夫婦関係をこう表現することがあります。
恋愛であれ見合いであれ、結婚当初は「愛してる」が飛び交う恋人同士のような毎日。それが月日を重ねていくうちに「空気のような存在」になっていくのでしょうね。
それはそれでいいのですが、最近なぜか遠い記憶の中に眠っている「恋人」という言葉が新鮮に響いてくるのです。
6月12日は「恋人の日」。もともとは縁結びの神様、聖アントニオにちなんだブラジルのイベントらしく、恋人同士が写真を入れたフォトフレームを交換しあうことから愛情を深める日として知られているようです。
聖アントニオは、ポルトガルのリスボンで貴族の子として生まれました。しかし貴族の身分を継ぐことなく修道会に入り、才能を見込まれて祝祭日の説教を任されるようになります。
そして熱心に愛を説いたことから「縁結びの聖人」と言われるようになるのですが、病におかされて36歳の若さで死去。そのとき地上に舞い降りた天使たちによって町中の教会の鐘が鳴り響いたと伝えられています。
多くの人々に愛されていたのですね。
愛の言葉も、そのささやき方も忘れてしまった男性諸君! 今日は照れくささを乗り越え、かつて恋人だった女性と二人で懐かしいアルバムをめくってみるのもいいかもしれませんね。
Lover come back to me
「恋人」よ我に帰れ
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)