Vol.144
2017年4月10日 公開
このコラムでも「○○の日」といった記念日を紹介していますが、この春、進学、就職した人にとって、その日はひとつの記念日になったのではないかと思います。
すでに順調にスタートを切っている人も多いと思いますが、慣れない環境のなかで不安を感じている人もいるかもしれません。
若い頃を振り返ってみても、なかなか思うようにいかずに悩んだり落ち込んだり。あこがれていた一人暮らしの部屋もただの孤独な空間でしかなかったような気がします。
仕事では超えなければならない壁が次々と目の前にあらわれる。平らな道はなく、道の先はいくつかにわかれていてどちらに進むのか選択を余儀なくされる。つまずいては倒れ、起き上がってはまた歩き出す。その連続でした。
そんなときに支えてくれた女性がいました。彼女の言葉に、笑顔にどれだけ勇気づけられたかわかりません。
1865年、大浦天主堂でプティジャン神父に出会い、信仰を告白した浦上村の人々の想いにはほど遠いけれど、まさにそれは「救われた」瞬間でした。
何年の何月何日に出会ったのかはおぼえていませんが、長い交際期間を経て僕らは結婚しました。そしてあと数日で30回を超える結婚記念日を迎えます。
4月は、はじまりの月。新しい歴史がスタートするときです。障害物競争のような毎日だけど、頑張っていればきっと認めてくれる人があらわれる。僕は今でもそう信じています。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)