Vol.135
2017年2月6日 公開
若いときは甘いものをほとんど口にしなかったのですが、50歳を過ぎた頃から少しずつ食べるようになり、今では食後のデザートが楽しみという変わりよう。
最初はケーキよりは饅頭、パフェよりは蜜豆と和風好みだったのに、今やなんでもござれの甘党。コンビニに登場する新しいスイーツにも注目しています。
そんななか、最近ハマっているのがカステラの切れ端。先日購入したものはこれまで食べたカステラの中で一番うまいと言っても過言ではないほどの味わいでした。
長崎では贈り物やお土産用として購入する人が多いカステラ。つまり誰かに差し上げるものなので自分用にはなかなか買わないというのが現状のようです。
だから「カステラを食べたい」と思ったときに重宝するのが切れ端なんです。
以前、このコーナーでも紹介しましたが、カステラは長崎が開港した1571年以前に伝えられた南蛮菓子で、日本で最初に作ったのは、熱心なキリシタンでもあった長崎代官の村山等安だといわれています。
当時は今のようなしっとりとしたものではなく、堅くてパサパサしていたのかもしれませんが、教会に集まった信徒たちも等安の作ったカステラに舌鼓を打ったのでしょうね。
カステラ専門店が多い長崎。まずは切れ端を食べてみてから購入する。これがかしこいカステラ選びのポイントかもしれません。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)