おらしょ こころ旅

Vol.122

秋の収穫を祝う

2016年10月31日 公開

この時期になると、奇抜な仮装グッズや、おばけのかぼちゃのお菓子などが店頭に並び、テレビが全国各地で開催されるイベントを紹介するなど、今や国民的行事のような盛り上がりを見せているハロウィン。

あまりにも話題になっているので、10月の数日間がその期間かと思っていたら、今日10月31日の1日だけがハロウィンの日だったのですね。

ハロウィンは、古代ケルト人が始めた祭りといわれており、もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事だったそうです。

現在では、宗教的な意味合いはほとんどなくなっていて、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏の民間行事として定着しています。

クリスマスやバレンタインデーなどと同様、キリスト教に関係する行事だと思っていましたが、そうではなかったんですね。

秋の収穫を祝う世界の祭りといえば、ドイツのオクトーバーフェストや、スペインのトマト祭り、フランスのぶどう収穫祭などがあります。日本各地で行われている“村の鎮守のお祭り”もそうですね。

豊かな恵みを与えてくれる大自然や、丹精込めて農作物をつくっている生産者の皆さんに感謝し、「いただきます!」と手を合わせて食する。この真摯な姿勢と美しい精神がこの国を支えてきたのでしょう。

相手をいつも敬い、感謝する心を持つこと。この世のさまざまな問題を解決する糸口が、秋の収穫祭の起源に隠されているのかもしれません。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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