Vol.11
2014年9月8日 公開
今日は中秋の名月。すすきや団子をお供えして月見を楽しむご家族や、お供えはしなくとも、家のベランダや公園のベンチできれいな月を眺めようと思っている人は多いかもしれませんね。晴れるといいですけど・・・。
中秋の名月と言えば、満月というイメージがありますが、必ずしもそうではないらしく、今年は明日9日が満月。今日はその前日ですから、ほぼ満月の状態とでも言えるのでしょうか。
人類が月に到達して以来、宇宙開発がどんなに進んでも、やはり月は神秘的な存在。ちょっとノスタルジックになって昔を振り返れば、月にうさぎがすんでいると信じていた幼い頃や、月を見ていると、なぜか勉強そっちのけで好きな人のことを考えてしまった青春時代を思い出します。
淡くおぼろげに浮かび上がり、ときに凛とした輝きを放ち、またあるときは妖艶に夜空を彩る月は、そのときどきの心情に寄り添いながら、私たちを幻想的な世界へと誘ってくれます。
中秋の名月の「中秋」とは、旧暦8月15日のこと。新暦でいうと9月中旬から10月上旬にあたるそうで、今年9月8日は、聖母マリア誕生の祝日と同じ日という巡り合わせです。今宵は『アヴェ・マリア』を聴きながら、夜空を見上げるのもいいですね。月の光に包まれながら、あなたは何を思うのでしょうか。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)