Vol.101
2016年6月6日 公開
先日、アコースティックギターを買いました。若い頃はバンドをやっていたので、それなりに音量があるボディの大きなものを愛用していました。
しかし、年齢とともに重く感じるようになり、「今の自分にあった小ぶりでいいものがあれば」くらいの軽い気持ちで購入を考えていたのでした。
新しいギターはこれまでのものよりひとまわり小さく、弦を張ったネックの部分も細くて指にあまり負担がかからないので長く弾いても疲れません。
これなら持ち運びも楽だし、すぐにライブでも活躍しそう!・・・というのは冗談ですが、ひとりで演奏を楽しむにはちょうど良い大きさと軽さです。
ギターの起源は古く、もともとは弓形のハープのような弦楽器だったらしいのですが、8世紀頃、ギターの直接の祖先ともいえるリュートがヨーロッパに伝わり、15~6世紀にポピュラーな楽器になったそうです。
これと同じ時期、日本でリュートをはじめとした西洋楽器を奏でた人たちがいました。彼らは1582年にヨーロッパに旅立ち、1591年に帰国した天正遣欧使節。演奏を聴いたのは豊臣秀吉でした。
天正遣欧使節の4人の青年たちはなぜ西洋楽器を演奏することができたのでしょうか。それは、彼らが有馬のセミナリヨで1日1時間の音楽教育を受けていたからだといわれています。
秀吉がアンコールを所望して3回も聴いたという彼らの演奏はさぞ見事なものだったのでしょうね。
6月6日は楽器の日。天正遣欧使節に負けないように練習をしないといけませんね。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)