Vol.474
2023年9月18日 公開
9月18日は敬老の日。文字通り高齢者を敬う日ですが、何歳以上を高齢者と呼ぶのかは行政上の目的などによっても異なるようで、世界保健機関(WHO)では65歳以上、改正道路交通法では70歳以上となっています。
一方で雇用についてはこれまで60歳定年が一般的でしたが、近年では65歳までの定年引き上げや定年廃止を掲げる事業所も増えています。
年齢に関係なく可能なかぎり仕事を続けたい、仕事でなくても何か生きがいを見つけて豊かな人生を送りたいと考えている人は多いようです。
時代をさかのぼるほど平均寿命は短くなりますが、禁教期、外国人宣教師が不在のなか、潜伏キリシタンの集落で様々な儀式を行っていた指導者たちは当時何歳くらいだったのでしょうか。
彼らはある地域ではオヤジ役、オジ役と呼ばれていたのですが、平均寿命が短いことを考えると40、50歳くらいだったのではないかと勝手に想像していました。
しかし、人生50年といわれた江戸時代においても、70歳、80歳の高齢者はそれほどめずらしい存在ではなかったようですから70歳以上の長老もいたのかもしれませんね。
そして彼らは自らの経験をもとに伝統的な信仰の形を後世に伝えていったのでした。
近年、「老害」という言葉をよく耳にします。前時代的な根性論を振りかざして若者の行動を否定したり、老いたことに気をとめず他人に迷惑をかけたりすることだそうです。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉がありますが、自らの振る舞いにはくれぐれも気をつけよう、改めてそう思う敬老の日です。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)