おらしょ こころ旅

県北

黒島天主堂 / くろしまてんしゅどう

  • (撮影:松尾順造)

  • 平戸島の南東、佐世保港沖に位置する黒島にある教会堂である。【登録資産グループ/黒島の集落】
  • 黒島へは18世紀に島外から入植が行われ、入植者の中には外海地方などからの潜伏キリシタンが含まれていた。
  • 1865年の大浦天主堂における「信徒発見」の後、黒島の潜伏キリシタンも大浦天主堂を密かに訪れて宣教師と接触した。
  • 彼らは宣教師から教理や洗礼について指導を受け、1873年にキリスト教が解禁されると全員がカトリックへ復帰した。
  • 復帰当初は、信仰組織の指導者の家を仮聖堂としたが、1880年には信徒たちが竹や松材など、地元で産出する資材を寄付して最初の小さな教会堂が建てられた。
  • 1897年に来島したフランス人のマルマン神父の設計で、1900年に現在の教会堂の建設が始められ、1902年に完成し祝別された。
  • 国内でも大型の煉瓦造りの教会堂である。
  • 詳しくは、長崎県総合ポータルサイトをご覧ください。
関連する人名・用語
教理

[教理] 宗教上の教え。

祝別

[祝別] 祝福とも言い、神の特別の恵みを受ける祝いのミサ。

信徒発見

[信徒発見] まだ禁教が明けていない1865年、長崎の外国人居留地に創建された大浦天主堂において、浦上の潜伏キリシタン数人が約250年ぶりに神父に信仰を告白したできごと。

潜伏キリシタン

[潜伏キリシタン] 禁教時代に、表向き仏教徒として生活し、密かに信仰を継承した信徒たちのこと。

洗礼

[洗礼] キリスト教徒になるための儀式で、「マリア」や「フランシスコ」などの洗礼名(クリスチャンネーム)をもらう。

マルマン(ジョゼフ・フェルディナン・マルマン)

[マルマン(ジョゼフ・フェルディナン・マルマン)] パリ外国宣教会の宣教師。1876年に来日し、奄美・琉球での宣教を経て、1880年に下五島主任司祭として下五島赴任。その後、伊王島、奄美を経て1897年に黒島に赴任し、黒島天主堂の建設に尽力した。

人名・用語辞典 >>

地図・交通アクセス

地図はこちら

佐世保市相浦港から黒島白馬港までフェリー(約50分)
→徒歩(約30分)
※フェリーについて、詳しくは黒島旅客船有限会社ホームページをご覧ください。
※フェリーは、天候や波の状況などにより時間の遅れや欠航が生じる場合がありますのでご注意ください。
※白馬港そばにある観光案内所「黒島ウェルカムハウス」にて、電動アシスト自転車を貸し出しています。(有料)

【佐世保市相浦港までのアクセス】

  • 飛行機利用の場合
    東京(羽田)から長崎空港まで(約1時間45分)、名古屋から長崎空港まで(約1時間25分)、大阪(伊丹・関西)から長崎空港まで(約1時間15分)
    →長崎空港から佐世保駅前まで西肥バス(約1時間45分)、長崎空港から佐世保駅みなと口まで乗合ジャンボタクシー(約55分)
    →佐世保駅から相浦桟橋まで佐世保市営バスまたは西肥バス(約30分)
    ※飛行機について、詳しくは長崎空港ホームページをご覧ください。
    ※バスについて、詳しくは佐世保市営バスホームページまたは西肥バスホームページをご覧ください。
  • JR利用の場合
    東京駅から博多駅まで(約5時間)、名古屋駅から博多駅まで(約3時間20分)、新大阪駅から博多駅まで(約2時間30分)
    →博多駅から佐世保駅まで(約1時間50分)
    ※詳しくは、JRおでかけネットをご覧ください。

※詳しくは、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンターのホームページをご覧ください。

この登録資産にかかわりのあるコラム

  • 県北

    40万個の煉瓦の話

    黒島天主堂の建設に使われた煉瓦は40万個といわれている。
    信徒たちが島で焼いた煉瓦も一部使用されている。

  • 県北

    世界にひとつの説教壇

    日本に数少ない説教壇。
    黒島天主堂に残る説教壇には、マルマン神父手彫りの装飾が施されている。

  • 県北

    信徒移住のクロスロード

    江戸時代、黒島に移住した信徒たちは、さらなる新天地を求めて移住していった。

  • 県北

    和と洋が混在した教会堂

    黒島天主堂はロマネスク様式の美しい教会堂。
    マルマン神父はフランスから多くの品も取り寄せた。

  • 県北

    初めてのミサ

    黒島で初めてミサが行われた頃、時代はまだ禁教政策の中にあった。
    神父は人目につかぬよう変装して黒島に渡った。

  • 県北

    天主堂建設の影で咲いたロマンス

    2年の歳月をかけて完成した大規模な黒島教会堂。
    その建設に携わった大工の中に五島出身の船大工の青年がいた。

  • 県北

    有田焼のタイルを使った天主堂

    有田焼の磁器タイル、黒島産の御影石・・・。
    黒島天主堂の建築に使われた素材にも注目したい。

  • 県北

    祈りの島の風景に出会う

    黒島では、「信仰深い」を「しんこか」と言う。
    信徒は皆、マリア様の御絵やロザリオ、十字架などをお守りにしている。

  • 県北

    一時中断した天主堂建設

    マルマン神父が全身全霊を捧げて建てた黒島天主堂。
    しかし、多額の工費がかかり、建設は一時中断に追い込まれた。

  • 県北

    想いがしみこんだ手描きの天井

    黒島天主堂の特徴でもある美しい木目のリブ・ヴォールト天井。
    実はその木目は人の手で描かれたものだった。

  • 県北

    黒島の島めしとふくれまんじゅう

    大きくて堅い豆腐や素朴なまんじゅうは、
    カトリック集落に伝わる昔ながらの味

  • 県北

    黒島天主堂の鐘の音

    シスターが鳴らす黒島天主堂の鐘
    透き通ったその音色の秘密とは・・・

  • 県北

    祈りの島の墓地をたずねる

    黒島は天国のほうが人口密度が高い!?
    十字架が密集するカトリック共同墓地

  • 県北

    潜伏キリシタンの生活を助けたサザンカ

    樹齢250年以上といわれる巨大サザンカは
    西彼半島からの移住者が持ち込んだもの

トップ