ヴァチカン図書館に所蔵されている口之津連判状が、2018年2/16〜3/16まで有馬キリシタン遺産記念館で開催された企画展「ヴァチカンと有馬」で公開された。
口之津連判状は、1613年、キリスト教の棄教のために高僧の幡随意上人が派遣されることを知った口之津の信者らが「棄教するぐらいならば命を捧げる覚悟である」という内容の書状に署名したもの。縦27cm×横182cmの和紙に、42名分の日本名と共に日本語とラテン語の両方で記された洗礼名が記されている。デザインされた印判も、当時のものとは思えないほど精巧である。名前に姓が入っていることなどから、武士を含め身分の高い人たちではないかと推察される。
1563年にアルメイダが口之津に来てキリスト教の布教が始まった有馬領。父の死後、キリシタン弾圧の側に回った直純が、偉いお坊さんを招いてキリスト教界を破壊しようと目論んだが、信者たちは棄教するどころか団結して殉教をも決意したという、当時のキリシタンの信仰の深さと有馬の複雑な情勢を物語っている。