旧五輪教会堂の入口部分に施された十字架の模様が入ったステンドグラス。実はこれはステンドグラスではなく、2枚の透明ガラスの間にカラーのセロハン紙をはさんだものである。

現在は透明ガラスがはめ込まれた側面の窓もかつては同じ手法で2枚のガラスの間に水彩画をはさみ、ステンドグラス風に仕上げられていた。幾何学模様を取り入れた、まさにステンドグラス風のデザインである(五島歴史資料館に展示)。

隣の奈留島にある江上天主堂の窓ガラスも信徒が手描きをした花模様が印象的だ。限られた財源と技術の中で少しでも教会堂を美しく見せたいと工夫を重ねた当時の人々の思いが伝わってくる。