パイプオルガンは紀元前145年にエジプト人が初めて作ったと言われ、1世紀頃のローマ皇帝・ネロが好み、次第に改良が進み、教会で使われるようになったという。日本へは1579年、巡察使じゅんさつしヴァリニャーノが口之津へ上陸した際に携えてきた2台のパイプオルガンが最初と言われている。

天草コレジヨ館には、1600年頃に天草の画学舎(キリシタンの美術学校)で作られ、主要な教会に備え付けられたという竹オルガンが復元展示されている。竹オルガンとは、パイプの部分に竹筒を使用し、後部に付いているふいごから風を送り込んで2人で演奏するもので、2人の息が合わないとちゃんとした音が出ない。特に後ろで風を送り込むのが大変だったそうで、当時ヨーロッパでは、前で弾く人より後の鞴係の方が、給料が3倍高かったそうである。音色は、尺八しゃくはちにも似た、優しい音色だそうだ。