田平天主堂の建立50周年記念碑に書かれている建設由来には、「一切の材料は信徒の奉仕により、下の海岸から担ぎ上げた」と書かれているが、その道を辿ってみると、とんでもなく険しい山道だった。

人が一人やっと歩けるほどの細い道で、足元は山水でぬかるみ、とても歩きにくい。大人の足で20〜30分かかる。しかも当時は、わらじ履きの時代。海岸に着いたてんま船からレンガや瓦などの資材を降ろし、それを背中に担いで登る道のりは、相当大変だったであろう。

ちなみに、道幅が狭く離合が難しかったため、海岸へ下る道と担いで登る道は分けられていたそうだ。担いで登っていた道は現在も道なき道であるが、下りに使われていた道は整備され、海岸の近くまで車で行くことができる。