初代の大曾教会堂(1879年築)は、現在の天主堂から少し西方の裏迫に建てられ、当時の信徒は20数戸であった。

現在の煉瓦造りの大曾教会堂が建てられたのは1916年。カトリック復活をアピールするように目立つ高台に移動した。その際、それまで使用されていた木造の旧教会堂は、同じかみ五島にある土井ノ浦教会が買い受け移築された。その後、土井ノ浦教会堂は1960年と平成になってからの二度、大きな改修を行い、入口部分が鉄筋コンクリートになったため、一見、昔の面影はなくなったように感じられるが、実は堂内に入ると、漆喰仕上げのリブ・ヴォールト天井を持つ主廊と側廊、祭壇部は旧大曾教会の姿をとどめている。とても貴重な美しい明治の教会建築である。