小値賀おぢかは、人口2,750人のうち120人が移住者だ(2013年現在)。東京、大阪、福岡と移住者の出身はさまざま。家族連れ、単身での移住、農業や漁業がしたい、観光の仕事がしたいなど、形も動機もいろいろだという。

旧野首教会堂の案内をはじめ、島の観光を支える「おぢかアイランドツーリズム」のスタッフも半分は移住者。様々な価値観が混ざり合い小値賀に良い刺激を与えている。また、小値賀教会の信徒である土川幸子さんは、40年前に、無人島の野崎島で隠遁生活(何もないところで祈りだけの生活)をしたいという外国人隠遁者を案内して小値賀を訪れた。隠遁者たちは帰ったが、土川さんはそのまま小値賀に住み着いたという。「素朴な風土の中での自給自足の生活は、神様がとても近くに感じられる」と話す。かつてキリシタンが新天地をめざして野崎島に移住したように、今また多くの人が小値賀の魅力に引き寄せられ、島の魅力を発信している。