江戸時代の厳しい弾圧の中で、1644年以降神父も不在となり、キリシタンが途絶えてしまったと思われていた日本。現状を知った当時のローマ教皇は、再び日本での布教活動を試みた。その任務を託されたパリ外国宣教会は沖縄に滞在して機会を伺っていた。日本が再び開国すると、宣教師は居留地に住む外国人のために教会堂建設を始めた。そこにはキリスト教を信仰する日本人たちと巡り合えるかもしれないという宣教師たちの秘かな期待があった。

1862年、横浜に最初の教会堂が建てられた。このとき、教会堂をひと目見ようと集まった日本人たちが逮捕される事件が起きた。開国したとはいえ、日本人がキリスト教を信仰するのは依然として認められていなかったのである。

横浜天主堂跡ホームページ