今も毎日朝夕二度、清らかな音色を響かせている黒島天主堂の鐘。ミサが始まる少し前に鳴らされるため、信徒たちは「寄せ鐘」と呼んでいる。

全国的に自動(電動)装置で鐘を鳴らす教会が多くなってきたが、黒島天主堂では今もシスターが力強く紐を引いて鐘を鳴らしている。聞くと、かなりの力がいるそうだ。

また、この紐を引いて鐘を鳴らすとき、シスターは祈りの言葉を唱えているという。しかも日によって、人によって、その祈りの言葉は違うのだそうだ。「だから鐘の音も日によって違うとよ〜」とある信徒さんは笑みを浮かべる。その笑顔は、祈りの島のやさしさやおだやかさを象徴している。