宝亀教会堂は、青空に美しく映えるえんじ色の壁に白のラインがアクセントの印象的なファサードを構える。建物の横へと移動すれば、今度は薄いモスグリーンの木造ベランダが見え、ほわっと優しい雰囲気をかもし出している。この印象のギャップは訪れた人たちを驚かす。ベランダの天井は細板が網目状に組まれ、アーチ式の柱を持ったコロニアル風。大きな窓やベランダがある洋風の造りは、明治時代の外国人居留地の住居を思わせる。信徒の方のお話によると、建物側面のステンドグラスの窓は扉のように開閉でき、そこからベランダへ出入りできるのだとか。これが建築上とても珍しいとのこと。とても開放的な教会堂と言えるだろう。堂内もえんじ色の柱に薄いモスグリーンの天井板。その空間に赤、黄色、青のステンドグラスの色鮮やかな光が注ぎ込む。ヨーロッパのリゾート地を思わせるような堂内の明るい雰囲気が、祈りのための静かなる空間を一層厳かにしているように感じた。