舟越保武氏による日本二十六聖人殉教記念碑はあまりにも有名だが、記念碑の裏側にまわってみると、そこにもまた二十六聖人にまつわる貴重な作品が施されている。

制作者は日本二十六聖人記念館を設計した今井兼次氏。『二十六聖人の道』と名付けられたレリーフは、一見、不揃いの石を並べたかのように見えるが、よく見ると出発地には「きょうと」の文字があり、その近くには十字を刻んだ26個の石でキリスト教のシンボルであるぶどうの房が形作られている。殉教の地となった長崎には金の十字架が刻まれた石が埋め込まれている。信仰を守って長く厳しい道のりを歩き続け昇天した26人に敬意を表した今井氏の渾身の作である。

つい見過ごしがちなレリーフであるが、殉教碑を眺めたあとは裏側もぜひ。