天正遣欧少年使節てんしょうけんおうしょうねんしせつの一人、中浦ジュリアンは西海市中浦の出身。4人の中で唯一、殉教し福者に列せられた。

ジュリアンはローマから戻ったあと、他の3人と共に天草のコレジオで学び、1608年、長崎の教会堂で司祭に叙される。

禁教令の中、20数年にもわたり国内で宣教活動を続けていたジュリアンであったが、1632年ついに捕らえられ、一年間の拷問のあと長崎で穴吊りの刑に処せられる。3人の修道士も一緒だったが、そのうちの一人はあまりの苦しさに棄教した。小説「沈黙」にも登場するクリストヴァン・フェレイラである。

ジュリアンの熱心な宣教活動の様子を物語る一通の自筆書簡が日本二十六聖人記念館に展示されている。