日本の報道写真家の草分け的存在で、1936年にはベルリンオリンピックを取材し、『ライフ』『フォーチュン』誌に日本人として初めて作品を発表したことでも知られる名取洋之助なとりようのすけ

彼の貴重な写真の中に、1935年に堂崎天主堂周辺で撮影された「初聖体はつせいたい」「堅信式けんしんしき」の写真があり、孫の襄一じょういち氏の好意により寄贈され、堂崎天主堂内に9点ほどが展示されている。

名取洋之助が青年時代に五島を訪れたときに撮影したもので、夏のある日、伝馬船てんませんを漕いでやってくる神父や、堅信式を前に、式用の白い服を着た信徒の喜びにあふれた様子などをとらえている。3年に一度、長崎から司教を招いて行われる公式初聖体、堅信の日ということで伝馬船に乗る早坂はやさか司教(初の日本人司教)の姿もある。