おらしょ こころ旅

県北

生月巡礼のゴールは、ガスパル様をお参りして山田教会へ

2024年6月12日 公開

6-2-4

黒瀬の辻殉教地の大きな十字架の裏に回ると、林の中にひっそりとガスパル西の墓があります。墓には目印に松の木が植えられ、禁教期にも大切に守られていました。その松で作られた十字架が、山田教会堂の祭壇に飾られています。

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黒瀬の辻の藤の花

前回も紹介した黒瀬の辻殉教地。訪れた時は藤の花が満開でした。大きな藤棚の下はうす紫の花びらが絨毯のように地面に広がり、ベンチに座って春らしい風景を満喫できました。

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黒瀬の辻から見た中江ノ島

黒瀬の辻からは世界遺産の構成資産の一つで、キリシタンの聖地として知られる中江ノ島を眺めることができます。中江ノ島には一般見学者の上陸はできませんが、島の周囲を巡る貸切り制のクルージング船(予約制)が出ているそうですよ。乗ってみたいなぁ。

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ガスパル様の墓

禁教期に島のキリシタンの指導にあたった西玄可(洗礼名ガスパル)。役人に捕らえられた西玄可が1609年11月14日の朝に斬首されたあと埋葬された場所がここだと伝えられています。ガスパル様は2008年に188人の福者の一人として、列せられました。墓の傍にある朽ちた切り株はガスパル様の松の名残です。

住所 平戸市生月町山田免1580
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ガスパル様の説明板

信者たちは墓の目印に松を植え、その松を「ガスパル様の松」として大切にしていたそうですが、老木になり倒木。その木は十字架の形に加工され、山田教会と島の館に保存されています。説明板に、昭和初期の大松があった当時の風景写真が載っていました(下の写真)。確かに、遠くからでも目印となる大きな松ですね。

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7分
山田教会堂(1)

そのガスパル様の大松で作った十字架がある山田教会へ。1878年から平戸方面も担当したペルー神父によって、潜伏キリシタンだった人たちがカトリック信徒となった地区です。

住所 平戸市生月町山田免440-2
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山田教会堂(2)

1912年に鉄川与助の設計・施工で建てられたレンガ造の現教会堂。堂内も特徴がたくさんあり、一つはガスパル様の大松で作った十字架で、もう一つはこうもり天井の脇に貼りめぐらせた珍しい蝶の羽の装飾。とてつもない量の蝶の羽にびっくり、一見の価値ありです。ステンドグラスなども見応えがある作りで、信徒さんたちがこの教会へ込めた思いがひしひしと伝わってきました。

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山田教会堂(3)

ここにもありました、フェチマのモニュメント。聖母マリアを囲む3人の羊飼い。マリア様からのお告げの言葉を手を合わせて聞いています。いつもながら、マリアを見つめる羊飼いとそばに座っている羊の姿が可愛くて、心がほっこりします。

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山田教会堂(4)

ガスパル西の次男で、神父になった聖トマス西も殉教しました。1987年に「聖トマス西と15殉教者」として列聖された時の記念碑が建てられています。ガスパル西をはじめとする殉教した西家の家族の功績は、昔も今も生月の信徒の心を支え、人々を信仰に導く大きな存在なのだと改めて感じました。

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    日本の美しい教会としても名前の挙がる平戸ザビエル記念教会堂。1913年に創建された平戸教会が最初で、1931年に現在地に建設。1971年に聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂となり、さらに近年、正式名称を「平戸ザビエル記念教会」に改称しました。

  • 松東院メンシアの墓へ

    大村純忠の娘で自身も敬虔なカトリックだったメンシア。政略結婚でキリスト教嫌いの松浦家へ嫁いでからは、棄教をせがまれながらも、頑なに拒否し、信仰を守りつづけました。その陰には、夫久信の深い愛情と理解がありました。今回は、そんなメンシアのお墓を訪ねて...

  • 烏帽子岳をぶらり

    佐世保富士とも呼ばれ、佐世保市内で一番高い山が烏帽子岳。西海国立公園にも指定されている山頂から少し下った標高430mの高台にあるのが烏帽子教会堂。戦後、平戸の紐差地区から烏帽子岳の開拓地に移住した信徒たちのために建てられたという教会堂です。

  • 本陣屋敷が残る江迎へ

    参勤交替の折、平戸藩主が宿泊した一番目の宿(本陣屋敷)が残る佐世保市江迎町。戦後は北松炭鉱の一つとして栄え、信徒も多く移住。最初は炭鉱住宅を仮聖堂として使用していましたが、1952年に地元の景勝地である潜竜ヶ滝から名をとった潜竜教会堂が建てられました。

  • 浅子教会堂から横浦へ

    平戸や黒島、五島、西彼杵半島など、海との関わりが深かった信徒たちは、移住先に海沿いの土地を選んだ人が多かったようです。今回たずねた浅子教会堂や横浦教会堂も海のそばにある教会堂です。

  • 高台に立つ白亜の相浦教会堂へ

    佐世保は1900年代初頭に平戸や西彼杵半島から移住した信徒によって創建された教会堂が多く、戦後は炭坑が始まったことでさらに移住者が増えました。そんな移住の歴史をたどりながら、教会堂をめぐってみましょう。

  • 九十九島を眺めながら船越教会堂へ

    九十九島(くじゅうくしま)を望む高台の展望スポットはいくつもありますが、一番気軽に行けるのが船越展望所。今回はそこからスタートして、高台にある船越教会堂を目指します。

  • 潮風に吹かれて、鹿子前教会堂へ

    九十九島パールシーリゾートがある鹿子前地区には、黒島、平戸、五島から移住して軍関連や漁業に携わる信徒のために1953年に創建された鹿子前教会堂があります。海からの心地よい風を感じながらぶらっと行ってみました。

  • 佐世保のシンボル、三浦町教会堂

    佐世保の駅前にどーんとそびえる三浦町教会堂。昭和6年に建てられ、1945年の佐世保大空襲にも負けず、奇跡的に生き残りました。今回は、そんな佐世保のシンボルとも言える三浦町教会堂をたずねます。

  • 針尾瀬戸を眺めて早岐へ

    佐世保市の東南部にあり、昔から交通の要衝として栄えて来た早岐。2014年にJRの駅がリニューアルして以来、ますます便利な街になっています。今回は、そんな早岐に昭和30年代に創建された教会堂をたずねてみました。

  • 北松炭田で栄えたまちへ

    旧北松浦郡の町と松浦市は、かつて炭坑で栄えたまち。明治中頃、信徒の中にも、外海や黒島、五島などから働き口を求めて移住する人たちが増え、教会堂も建てられました。今回はかつての炭坑のまちに立つ教会堂を訪ねてみました。

  • 海を望む山間にひっそりと…

    平戸市の古江湾を見下ろす山間に立つ古江教会堂。正直、「ぶらり」と行ける教会堂ではなく、山道を車で走っていて、何度も「この道かな?」と不安になりました。でも、たどり着いた教会は、今も信徒さんに大切に守られていることが実感できる教会堂でした。

  • 田平から平戸大橋を通って

    田平と平戸島をつなぐ平戸大橋。今回は、平戸大橋を通って2つの教会を訪ねてみました。どちらも明治中期からの信徒の移住によって創設された教会です。教会めぐりの合間に、平戸瀬戸を眺めながら、おいしいランチをいただきます。

  • 開拓地に建つレンガの教会堂

    今回は、鉄川与助の教会建築の集大成とも言われる田平天主堂を訪ねました。天主堂が建つ瀬戸山地区は、1886年以降、黒島や外海から移住した信徒たちによって開拓された場所です。

  • 鳥が羽ばたく姿の教会堂へ

    今回は佐世保市の中里皆瀬地区へ。江戸時代は平戸往還の中里宿が置かれ、賑わった場所です。明治以降は炭鉱が栄え(昭和中期に閉山)、住宅地の開発が進んだことで、キリスト教信徒も多く移住。1970年に地区の高台に皆瀬教会堂が建てられました。

  • 鄭成功と川内かまぼこ

    宝亀(ほうき)教会堂から川内(かわち)地区へ。鄭成功(ていせいこう)記念館を訪れたあと、名物の川内かまぼこを買って千里ヶ浜(せんりがはま)に向かいます。平戸(ひらど)の海は美しく、陽差しを浴びてキラキラと輝いていました。

  • 心なごむ宝亀教会堂

    マタラ神父の墓がある田崎(たさき)の墓地から宝亀(ほうき)教会堂へ。メルヘンチックな外観とパステルカラーが印象的な堂内、そして建設当時からのこる貴重なステンドグラス・・・。宝亀教会堂の魅力を満喫しました。

  • マタラ神父の足跡を訪ねる

    田崎愛苦会(あいくかい)跡地からさらに山道を車で走り、平戸(ひらど)ふれあいバスの田崎(たさき)公会堂前バス停へ。そこから歩いてマタラ神父が眠る小高い丘を訪れました。

  • 紐差教会堂から田崎愛苦会跡地へ

    根獅子(ねしこ)の浜から紐差(ひもさし)教会堂へ、そして紐差修道院の前身である田崎愛苦会(あいくかい)跡地を訪れました。森の中にのこる古い石垣やさびた金属製の扉が往時をしのばせます。

  • 根獅子にのこる言い伝え

    根獅子(ねしこ)教会跡、ルルドのマリア様、昇天石(しょうてんせき)など、根獅子にあるキリシタン関連史跡にはいくつもの言い伝えがのこされています。それは信仰を守り続けてきたキリシタンの里としてのあかしでもあるのです。

  • ウシワキの森とチチャの木

    平戸(ひらど)市切支丹(きりしたん)資料館を出たあと、根獅子(ねしこ)の浜の昇天石(しょうてんせき)で殉教した人々の遺体をまつったウシワキの森へ。そして母子の悲しい殉教の物語が息づくチチャの木へ向かいました。

  • 平戸市切支丹資料館からスタート

    平戸(ひらど)市根獅子(ねしこ)地区にある平戸市切支丹(きりしたん)資料館。ここには平戸のキリスト教の歴史をはじめ、かくれキリシタンの信仰を物語る数多くの資料が展示されています。この日は夏休み期間中とあって家族連れの姿もありました。海水浴帰りかな。

  • 野崎集落跡を探訪する

    旧野首(のくび)教会から野崎(のざき)集落跡へ。廃村になった集落跡、神官屋敷跡を訪ねたあと、自生する芝生(しばふ)におおわれた草原で出会ったのは野生シカと集落の人々のお墓でした。

  • 野首集落跡にもどる

    舟森(ふなもり)集落跡を散策したあと、急な斜面をのぼって里道へ。行きとは反対にくだりが多いので助かりました。やがて見えてきたのは野首(のくび)海岸、そして旧野首教会。

  • 舟森集落跡を散策する

    足元に気をつけながら急な斜面をおりて舟森(ふなもり)集落跡を散策。小学校の分校跡、教会跡、炊事場跡やさまざまな品々・・・。50年前の暮らしが想像とともによみがえってきます。

  • 野首集落跡から舟森集落跡まで

    旧野首(のくび)教会から険しい山道に入り、のぼりが続く里道をひたすら歩く。息を切らしながら、道しるべに助けられながら約1時間30分、ようやく舟森(ふなもり)集落跡に到着しました。

  • 海をわたり野崎島へ

    笛吹(ふえふき)港から町営船で野崎(のざき)島へ。野崎港から集落跡を通って山道を歩いて行くと、階段状に連なる草原の向こうに、ひとり取り残されたように建つ煉瓦(れんが)造りの教会が見えてくる。旧野首(のくび)教会——その姿は美しくいとおしい。

  • まち歩きを楽しみ、古民家でくつろぐ

    小値賀(おぢか)歴史民俗資料館で野崎(のざき)島のキリシタンの歴史を学び、まち歩きを楽しんだあとは、古民家でゆっくりとくつろぐ。明日は野崎島へ。旧野首(のくび)教会、舟森(ふなもり)集落跡を訪れます。

  • 神島神社、唐見崎をめぐる

    小値賀(おぢか)教会から東へ向かい、700年代に造られたといわれている神島(こうじま)神社、さらに足を伸ばして唐見崎(からみざき)へ。受け継がれてきた島の歴史と文化を堪能しました。

  • 斑島から小値賀教会へ

    佐世保(させぼ)港からフェリーで小値賀(おぢか)島へ。火山でできた島ならではの美しい風景と独自の生活文化にふれながら小値賀教会に向かいます。

  • 平戸口で旬を味わう

    殉教地「焼罪」を訪れたあと、たくさんの食堂が軒を連ねる平戸口へ。新鮮な食材が揃った平戸瀬戸市場でお土産を買って、冬の海を眺めながら旬のグルメを楽しみました。

  • 笑顔の漁師まち

    じっくり歩いてみると、舘浦はほんとうに興味深い。風情あるまちなみや、心やすらぐ風景もそうだが、行き交うお年寄りの笑顔がとても印象的。海から吹く風は冷たくても、通りは温かな人情にあふれています。

  • 迷いながら舘浦あるき

    路地から路地へ歩いていくと、昭和の時代を感じさせる懐かしい通りが現れます。角を曲がれば、お寺があったり、大きな観音様がそびえていたり・・・。漁師まちは出会いがいっぱい。なんだか気持ちがゆったりとしてきます。

  • ガスパル様から山田教会、焼山へ

    大きな十字架がそびえる黒瀬の辻、そのそばにある殉教地ガスパル様、ガスパル様の松で作った十字架がある山田教会、そして殉教地焼山へ。生月の生活文化にふれながら心の旅は続きます。

  • ダンジク様の物語

    「行きはヨイヨイ、帰りはコワイ」とはこのことでした。海岸沿いにある殉教地までは「急激」とは言っても下り坂。帰りはその逆だから、とにかく登る登る、また登る。息は切れるし、足は上がらない。つくづく年齢を感じた旅でした。でも、訪れてよかった・・・。

  • 「島の館」で生月を知る

    史跡めぐり、まち歩きの前に立ち寄っていただきたいのが平戸市生月(いきつき)町博物館「島の館」。捕鯨やかくれキリシタンの歴史、島の農業や漁業の姿など、生月の魅力にふれてまちに繰り出せば、楽しさ倍増です!

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