おらしょ こころ旅

Vol.92

八ノ子島の話

2016年4月4日 公開

西海市横瀬浦には白い十字架が立つ小さな島があります。お椀をひっくり返したようなかわいいこの島の名前は「八ノ子島」–––「ハチノコジマ」と読みます。

横瀬浦はイエズス会と大村純忠が協定を結んで開かれた港で、1562年にポルトガル船が入港しました。このとき、船長が島の上で輝く十字架の幻を見たことから八ノ子島に十字架が建てられたそうです。

現在の十字架は1962年、南蛮船来航400年を記念して再建されたもので、2009年に修復されました。

「ハチノコジマ」の「ハチ」という響きを聞くと、どうしても「八」ではなく「蜂」を連想してしまいます。頭の中では島のまわりを「みつばちマーヤ」が自由に飛んでいるのです。

先日、西海市を訪れる機会があり、横瀬浦に行く前に「道の駅さいかい みかんドーム」の近くにあるお菓子屋さんに立ち寄りました。

そこで見つけたのが「八ノ子島サブレ」。ポルトガル船来航450周年を記念して作られたお菓子で、商品を紹介したボードには「国産はちみつ入りバターサブレです」と書かれていました。

「ハチノコジマ」と「蜂」は無縁ではなかったのです。なんだかうれしくなってひとつ購入しました。サクサクとした食感のあとから広がるほんのりとした甘さ・・・。八ノ子島サブレは春の到来を感じさせるやさしいおいしさでした。

冬になるとライトアップされるという八ノ子島の十字架。地元の人々に愛され続けている西海市のシンボルは、この日も愛らしい姿を見せながら沖合に浮かんでいました。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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