おらしょ こころ旅

Vol.42

春の陽射しに輝くもの

2015年4月20日 公開

春の陽射しに似合うものといえば、真新しいランドセルを背負った小学生や、ちょっと大きめの制服に身を包んだ中学生、背筋を伸ばしてさっそうと歩くスーツ姿の若者など、新たな一歩を踏み出した人々。見ているだけでこちらまで心が弾んできます。

中町教会(長崎市)で整備が進められていた「聖トマス西と十五殉教者」を顕彰する記念庭園もこの春完成し、十字架をあしらった中央記念碑と、十六聖人をかたどったブロンズ像が春の陽射しを浴びて輝いています。

1633年から1637年にかけて長崎の西坂で殉教し、1987年に列聖された16人は、迫害時代に命をささげた殉教者の代表的な存在ともいえるのでしょう。空をあおぐように少し視線をあげたブロンズ像はすべて西坂の方角を向いているそうです。

庭園の中央にそびえる記念碑の銘板には次のような言葉が書かれています。

殉教者の信仰の証は、その後200年余におよぶ弾圧と潜伏の間も、キリシタンを励まし続け、1865年3月17日、日本の信徒発見をもたらした。この奇跡的な出来事から150年目にあたり、私たちがこの信仰を継承し、人間の尊厳に基づく信教の自由、愛と平和の大切さに思いをいたすため、ここに記念庭園を整備し、聖殉教者の遺徳を顕彰するものである。

中町教会の記念庭園は、「殉教」と「信徒発見」を後世へ伝えるひとつの道しるべとして新たな歴史を刻み始めています。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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