おらしょ こころ旅

Vol.41

岬の白い教会

2015年4月13日 公開

長崎の市街地から路線バスで稲佐橋をわたり、水の浦、飽の浦、立神を過ぎ、造船所の巨大なクレーンや、穏やかな港を眺めながら南に向かうと、終点の停留所、神ノ島教会下に着きます。

海を見下ろす丘に建つのは神ノ島教会堂。山の緑を背景にした白い建物が春の陽射しを浴びていっそう輝いて見えます。

江戸時代、佐賀藩だった神ノ島には早くからキリシタンが潜伏し、江戸時代後期には、砲台築造の人夫として外海方面から潜伏キリシタンが移住。1876年に仮聖堂が完成すると、その多くがカトリック信徒になったそうです。

現在の教会堂は、1897年にデュラン神父が私財を投じて建て替えたもの。聖堂内はステンドグラスの柔らかな光に彩られています。

訪れた日は、祭壇の前で若いカップルと神父さんらしき人が和やかに話をしていました。結婚式の打ち合わせでしょうか。幸せを運ぶ春の訪れももうすぐのようです。

教会からは、行き交う船を見守るように建つ聖母像が見えます。その向こうには、1617年に宣教師をかくまった2人の宿主が殉教した高鉾島が浮かんでいます。

ぽかぽか陽気に誘われて散策を楽しむ人や、岸壁で釣りに興じる人など、周辺は思い思いに春を満喫する人たちであふれています。キリシタンの歴史に気軽にふれることができる路線バスの旅。ピクニック気分で出かけてみませんか。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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