おらしょ こころ旅

Vol.4

なぜ、世界遺産登録をめざすの?

2014年7月22日 公開

長崎は、みなさんご存知のとおり、古くから西洋への窓口として開かれ、色々な西洋文化とともにキリスト教も伝わりました。16世紀に世界的な拡がりを見せたキリスト教は、世界各地で様々な歴史をたどりますが、極東の日本でどのように根付いていったのか。その受容と継承の独自のプロセスを、確かな物証によって語ることができるのが「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」なのです。

日本におけるキリスト教の歴史は450年以上に及び、決して平坦なものではありませんでした。伝播と繁栄、禁教・弾圧下の継承、解禁後の信仰復帰というプロセスは世界でも類を見ません。長崎には、その歩みのそれぞれの段階を示す文化遺産として、「キリシタン大名の城跡」「潜伏時代の集落」「復活後に建てられた多様なスタイルの教会堂」が良好に存在しています。

その中でも特に、250年の長い潜伏期を経て、信徒たちが信仰の証(あかし)として建てた教会堂は、島々の入江や海に面した高台の集落景観と一体となり、優れた文化的景観を形作っています。さらに、各教会堂は、外国人神父の指導と、鉄川与助(てつかわよすけ)など日本人大工棟梁(とうりょう)の伝統的技術に基づく創意工夫によって、西洋と東洋の建築文化が見事に融合し、崇高な空間を生み出しています。

「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録を目指すのは、よそにない素晴らしい文化遺産を未来に受け継いでいくためです。そして、ふるさとへの誇りを持ってもらい、世界遺産を契機としてまちを元気にしていきたいと考えています。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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