おらしょ こころ旅

Vol.375

イワシ

2021年10月4日 公開

昭和30年代、食卓によく登場した食材といえば、イワシ、クジラ、サツマイモ。そのなかでとくに回数が多かったのがイワシでした。

「またか」と思うこともありましたが、好き嫌いをいえる環境ではなかったので、不平不満を口にすることはありませんでした。

煮付け、刺身、塩焼き、フライ、すり身、酢の物など、いろんな料理に使え、しかも安くて栄養価が高いイワシは、育ち盛りの子どもがいる家庭には力強い味方だったのだと思います。

今日10月4日は「イワシの日」。「1(い)0(わ)4(し)」の語呂合わせから大阪府多獲性魚有効利用検討会という組織が1985年に制定したそうです。

古くからイワシ漁がさかんに行われきた長崎県。明治時代になって地曳網や船曳網などが導入されると漁獲量が一気に増加し、市場には大量のイワシが出回るようになりました。

1879年(明治12年)に外海地方に赴任したド・ロ神父が住民の暮らしを支えるためにイワシ網工場を建設したのはこういった背景があったからなのでしょう。

また、五島列島ではイワシの仲間であるキビナゴ漁もさかんに行われていたらしく、キリスト教解禁後に誕生した小値賀町野崎島の旧野首教会堂や、五島市奈留島の江上天主堂は信徒たちのキビナゴ漁で得た資金によって建てられたといわれています。

生活習慣病の予防にも効果があるとされるイワシ。雑誌やインターネットに数多くのレシピが紹介されていますので、健康づくりのためにぜひ味わっていただきたいと思います。

 

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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