おらしょ こころ旅

Vol.372

世界の法の日

2021年9月13日 公開

コロナ禍でほとんど映画館に行くこともなくなり、自宅で海外ドラマを観る機会が増えました。

先日観た歴史ドラマのワンシーン。ある国の王子が民衆の裁きの場面に立ち会った際、裁判官が下したむごい判決に対してひとこと。

「法は民を罰するものではなく民を守るものだ」。

この台詞を聞いた瞬間、思わずうなずいてしまいました。

9月13日は「世界の法の日」。1965年にワシントンで開催された「法による世界平和第2回世界会議」でこの日を「世界の法の日」とすることが宣言されたそうです。

法律を辞書などで調べてみると、「社会秩序を守るため、国民が従わなければならないと定められたその国のきまり」とあります。なるほど、そうなのでしょう。

しかし社会が成熟していない時代には、多くの国々で権力者にとって都合のよい法律がつくられていたのだと思います。

キリシタン禁教令はどうだったのでしょうか。

南蛮貿易による利益と引き換えに受け入れざるを得なかったキリスト教の布教。しかし想像以上の信徒の増加に脅威を感じた権力者は一転してキリスト教を禁止し、迫害に乗りだしました。

そして捕らえられた人々は厳しい拷問を受け、ある者は棄教し、ある者は殉教していったのです。

数百年が経った今でも、どこかの国では誰かの一声で民衆の自由を奪い、命を脅かすような行為が続いています。そしてそれを可能にする法律も制定されているのでしょう。

国を維持するために国民の自由を奪うのではなく、国をつくるために国民の自由を守る。

歴史ドラマに登場した王子のような人物の出現を人々は望んでいるのかもしれません。

 

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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