おらしょ こころ旅

Vol.30

コルベ神父の暖炉

2015年1月26日 公開

大浦天主堂へ向かう坂道の途中から右に折れて路地に入ると、「聖コルベ館」の看板を掲げたペンションがあります。1階はお土産屋さんで、玄関に続く階段には「コルベ館はこの奥にあります」という表示が見えます。

ドアをあけて「コルベ館を拝見できますか」ときくと、お店の方が「どうぞ」と奥へ案内してくれました。部屋の入口の電源スイッチを入れると、薄暗かった部屋がパッと明るくなり、コルベ神父の大きな写真が目に飛び込んできます。

コルベ神父は、1894年、ポーランド生まれ。1930年に長崎を訪れ、神学生の教育などを行う一方、日本語の機関誌『聖母の騎士』を出版。自らを犠牲にして活動するその姿に共感する人々が次第に増え、翌年、本河内にコンベンツアル聖フランシスコ会聖母の騎士修道院を設立しました。

しかし、6年間の日本滞在後、祖国ポーランドに戻った神父は、アウシュビッツに収容され、妻子ある囚人の身代わりとなって処刑されてしまうのです。

ここは、神父が来崎してから約1年間、仮の修道院として活動した場所。部屋の中央には当時使われていたというレンガ造りの暖炉が残っています。それを眺めていると、ある想いがわき上がってきます。コルベ神父は、この暖炉から得た温もりさえも人々に与え続けたのではないかと・・・。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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