おらしょ こころ旅

Vol.271

税と年貢

2019年9月30日 公開

10月1日から消費税が10%に引き上げられ、同時に特定の品目について軽減税率8%が適用されるようになります。

外食については食べる場所などによって税率が異なるようですから注意が必要ですね。

税は長い歴史のなかでその形を何度も変えてきました。

645年の大化の改新では土地や人民を国家のものとする公地公民の方針が示され、701年に制定された大宝律令では租、庸、調といった税の仕組みが誕生しました。

平安時代には各地に大きな寺社や荘園ができ、農民は土地を所有する豪族に年貢などを納めていたようです。

全国を統一した豊臣秀吉の時代になると、農地面積だけでなく収穫高などを調べて年貢を納めさせるようになり、江戸時代には四公六民や五公五民というように、収穫高の四割から五割が年貢だったといわれています。

それ以上の重税を取り立てたのが、有馬氏に続いて島原を治めた松倉重政とその後継者の勝家でした。

重政は、島原城と城下町の建設や参勤交代の費用、キリシタンを根絶させるために計画したルソン遠征の準備費などを口実に、4万石程度の石高を過大に見積もり、九公一民、つまり九割という厳しい重税を領民に課しました。

怒った領民たちは1637年に一揆を起こし、2万数千人が原城に籠城。翌年、幕府軍は約12万人の兵力を動員して一揆軍を攻撃し、4ヵ月におよぶ攻防の末、一揆軍のほぼ全員が殺されました。

飢きんと重税–––これが島原・天草一揆が勃発した要因だったのです。

市民生活に直結するさまざまな税。何のための増税なのか、しっかり見極める目を持ちたいものです。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

関連登録資産

  • 世界文化遺産

    原城跡

    長崎県島原半島南部の海に突き出た丘陵を利用した城跡である。【登録資産グループ/原城跡】

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