おらしょ こころ旅

Vol.26

聖夜の思い出

2014年12月22日 公開

子どもの頃の12月24日といえば、少しだけクリスマスらしい夕食と、父が買ってきたケーキを家族みんなで食べるのが恒例で、本当にサンタクロースがいると信じていた幼いときも、誰がサンタクロースかわかったあとも、翌朝どんなプレゼントが枕元に置いてあるのかを想像しながら眠るのが楽しみでした。

当時、住んでいた地域にはカトリック信者の家が多く、日曜日の朝、教会に通っている友達がたくさんいました。たしか小学6年生のクリスマス・イヴの夕方、近所に住む同級生と一緒に浦上教会のミサに行ったことがありました。

正確には“一緒に”ではなく、連れていってもらったのですが、好奇心が強いわりにはかなりの小心者だったので、教会までの道中は緊張でずっとドキドキしていました。

教会に入ると、祭壇に向かって長い人の列ができていて、一番前にこちらを向いている神父さんの姿が見えました。そして一人ずつ前に進み、自分の順番がくると、神父さんは笑顔でマリア様のカードを手渡してくれました。

それ以外にも何か儀式のようなものがあったのでしょうが、おぼえているのはこのことだけで、クリスマスプレゼントにおもちゃや食べ物以外のものをもらったのはこのときが初めてでした。

その夜は食事が終わると、切り分けられたケーキを持って自分の部屋に戻り、灯したろうそくの明かりに浮かび上がるマリア様を見ながらケーキを食べました。意味もなく一人になりたかった12歳のクリスマス・イヴ。ラジオから流れる『きよしこの夜』がそれまでで一番心にしみた夜でした。

今年の「おらしょ通信」は今回で最後です。来年も心あたたまるエピソードを毎週お届けしますので引き続きよろしくお願いします。

よいお年をお迎えください!

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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