おらしょ こころ旅

Vol.252

ローマ字

2019年5月20日 公開

5月20日は「ローマ字の日」。1922年のこの日、「日本ローマ字会」が創立されたことを記念して財団法人「日本のローマ字社」が1955年に制定したそうです。

ローマ字とは本来、ラテン文字(アルファベット)のことですが、現在ではラテン文字を用いた日本語の表記法、または表記そのものを呼ぶことが多いようです。

ローマ字が日本に登場したのは戦国時代。イエズス会がキリスト教布教のために作成した日本語とポルトガル語の対応辞書(日葡辞書)が最初だといわれています。

江戸時代になると、鎖国政策によってオランダが唯一のヨーロッパの窓口となったため、オランダ式ローマ字が採用されるようになりましたが、これは仮名とローマ字を一つひとつ対応させたものではありませんでした。

そんななか、1867年に米国人ジェームス・カーティス・ヘボンが英語に準拠したローマ字を自ら著した和英辞書に使用。このヘボン式ローマ字は仮名とローマ字を一対一で対応させた最初の方式でした。

一方、ヘボン式ローマ字は英語の発音に準拠していたため、日本語の表記法としてはしっくりこない点も多かったことから、1885年、音韻学理論に基づいて日本式ローマ字が考案されました。

そうなると、今度は英語を話す人や教育者から厳しい意見が出るようになり、日本式とヘボン式のどちらを採用するのか激しい議論が続いたそうです。

そうして1937年、公的なローマ字法として公布されたのが訓令式ローマ字でした。

長い歴史のなかで変化を遂げてきたローマ字表記法。まさに進化とは、様々な人々の意見を取り入れながら改良を重ねることによって実現するものなのですね。

ちなみに日本語の「じゅ」は、訓令式では「ZYU」、ヘボン式は「JU」ですが、パソコンのキーボードでどちらを入力しても「じゅ」と表記されます。

なんだかすごいなぁと思います。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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