おらしょ こころ旅

Vol.242

3.11

2019年3月11日 公開

2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。

東北地方太平洋沖地震による災害と、これに伴う福島第一原子力発電所事故による未曾有の大災害でした。

このとき長崎市内の商店街にいた私は、電気屋さんの店頭に設置されたテレビの映像を見て愕然としました。まわりからは悲鳴にも似た声が聞こえてきました。

震災後、復興に向けた取り組みが進むなか、全国からかけつけた人々が救援の手を差し伸べ、被災した多くの皆さんを支え励ましました。

しかし8年たった今でも精神的、経済的に困窮している方々が数多くいらっしゃるという話を聞きます。

うれしいことや楽しいことをわかちあうのは容易なことですが、これまで味わったことのないつらい出来事を誰かと共有し続けるのはとても難しいことだと思います。

そしてそれは、消えることのない心の傷となって被災者の皆さんを苦しめているのではないかと想像します。

自然災害だけではなく、時代がもたらした悲しい出来事にも同じことがいえます。

かつて日本でキリスト教が禁止されていた時代に行われた信徒たちへの拷問は、彼らにどれほどの恐怖と痛みを与えたのでしょうか。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されたことで多くの人々が知ることとなった弾圧の歴史。

そこから学ぶことはたくさんありますが、なかでも大切なのは人の命の尊さだと思います。

改めて震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、8年前の教訓を胸に前を向いて歩き続ける被災地の皆さんにエールをおくります。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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