おらしょ こころ旅

Vol.241

桃の節句に思う

2019年3月4日 公開

3月3日はひな祭りでしたね。ひな人形を飾り、白酒、菱餅、あられ、桃の花などをお供えし、家族みんなでご馳走を食べたという人も多いかもしれませんね。

ひな祭りは3月上旬の巳(み)の日の祭礼が発展したもので、もともとは紙などで人の形をつくってそこにけがれを移し、災いをはらうために川や海に流していたそうです。

ひな人形は、節分で豆まきをして厄をはらったあとの立春から2月中旬頃に飾るのが良いとされています。

飾る時期にも健やかな成長を願う人々の想いが託されているのですね。

子どもの成長を願う心はいつの時代も同じなのでしょうが、近年、児童虐待のニュースがテレビや新聞などに登場するたびにとても心が痛みます。

子どもだけでなく人間の尊厳を踏みにじる虐待行為は、人類の歴史のなかに様々な形で刻まれています。戦争、人種差別、宗教弾圧・・・。

かつて日本で起きたキリシタンへの迫害もそのひとつでしょう。

社会が成熟していく過渡期の時代であればまだしも、現代でもいじめやバッシングはあとを絶たず、むしろ弱者に向けられた矛先はより鋭くなっているようです。

しかし誰かを傷つけても自らの心の平穏を得られるわけではないことや、人をさげすむことで感じるのはむなしさだけだということを多くの人々があらためて気付き始めています。

いや、そうあってほしいと願います。

体罰や虐待防止の取り組みが少しずつ進むなか、人々の意識も高まりつつあるようです。

春の陽射しの中で満面の笑みを浮かべる子どもたち、それを嬉しそうに見守る大人たち。本当はそんな普通の社会の到来を誰もが待ち望んでいるのだと思います。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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