おらしょ こころ旅

Vol.237

春が立つ

2019年2月4日 公開

今日は立春。冬至と春分の中間にあたり、風や水はまだ冷たいのですが、この頃から徐々に春めいた気候になってきますよ、と知らせてくれる日のようです。

この時期になると思い浮かべるのが『早春賦そうしゅんふ』という歌。中学生のときに習った記憶がある人も多いと思います。

春は名のみの風の寒さや 谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと声も立てず 時にあらずと声も立てず

氷解け去り葦は角ぐむ さては時ぞと思うあやにく
今日も昨日も雪の空 今日も昨日も雪の空

春と聞かねば知らでありしを 聞けば急かるる胸の思いを
いかにせよとのこの頃か いかにせよとのこの頃か

春になったといってもそれは名ばかりでまだ冷たい風が吹いています。谷で冬を越した鴬も春を告げようとしますが、まだその時ではないと声を潜めています。
川や池に張っていた氷も溶け始め、葦も角のような芽を出しています。さぁ春だと思うのですが、あいにく今日も昨日も雪の空です。
春になったと聞かなければよかったものの、聞いてしまったから待ち遠しくてしかたありません。春を待ち焦がれるこの思いをどうしたらいいのでしょう。

そんな内容だと思いますが、なぜかこの歌を口ずさむたびに苦境に耐えながら春を待つ人々の姿を思い描いてしまうのです。

 1873年に明治政府がキリスト教禁止の高札を取り除いたのも2月。この頃の信徒たちも同じような想いを抱いていたのかもしれません。

もうすぐ希望に満ちた季節がやってきます。

 思い通りの道を進むことができた人もできなかった人もしっかりと前を向いて春の道を歩んでください。人生は長く、いろんな出会いがあるのですから。

 (文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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