おらしょ こころ旅

Vol.205

何かを掘り起こす

2018年6月18日 公開

もうずいぶん前に長崎市出島の発掘現場を訪れたことがありました。炎天下の中で多くの人たちがしゃがみこんでせっせと作業をしていました。

発掘された品々は一つひとつ丁寧に洗って土を落としていくのですが、作業員の方々のその繊細な手つきに感動したことを覚えています。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する各資産でもこれまで地道な発掘調査が行われてきました。

そして出土した数多くの遺品や遺構などによって歴史は解明され、さらにその価値が証明されることによって世界遺産登録への道を歩み続けてきたのです。

今日6月18日は「考古学出発の日」。1877年、大森貝塚を発見したアメリカの動物学者エドワード・S・モース博士が来日した日です。

来日した博士は2日後の6月20日、汽車で横浜から新橋に向かう途中に貝殻が堆積している場所を発見し、発掘調査を実施しました。これが日本で最初の科学的な発掘調査といわれています。

それまでも多くの人が歴史的な書物や言い伝えをもとにいろんな場所を掘り起こして何かを手に入れようとしてきたのでしょう。その土地に眠るお宝を掘り当てること。確かにロマンがあってわくわくしてきます。

一方、地域を活性化するためにはどこからか何かを呼んでくることも必要かもしれませんが、意外とその原動力は私たちが住むまちに眠っているのかもしれませんね。

小学生のとき、友だちと一緒に秘密基地に隠した色とりどりのビー玉。きらきらと輝くあの宝物はまだ土の中に眠ったままなのでしょうか、それとも誰かがもう掘り起こしてしまったのでしょうか。ふとそんなことを思い出すのでした。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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