おらしょ こころ旅

Vol.189

脱出

2018年2月26日 公開

2月26日は「脱出の日」。すごいタイトルの記念日ですが、1815年のこの日、エルバ島に流されていたナポレオンが島から脱出してパリに向かったそうです。

「さすが、ナポレオン!」

なぜか訳もなくそう思ってしまいます。

ナポレオンはコルシカ島の出身。若い頃から戦術にたけた人物として注目され、イタリアやエジプト遠征の成功をきっかけに皇帝となってヨーロッパを支配する大帝国を築きました。

しかし、冬のロシア遠征の失敗から退位に追い込まれ、地中海のエルバ島に流されてしまいます。

約10ヵ月後に島から脱出してパリに戻ったナポレオンは、政権復帰してからわずか100日後にワーテルローの戦いで敗戦。今度は大西洋の孤島セントヘレナ島に流され、そこで一生を終えたそうです。

1815年といえば日本ではキリスト教禁制の時代。信仰を続けるために外海地方から島に移住する潜伏キリシタンがいる一方で、多くの信徒たちが捕らわれ、殉教したり棄教したりしたのでした。

捕らわれたキリシタンの中には牢から脱出した人もいたかもしれませんね。

脱出ではないけれど、思春期のとき、何かのきっかけで親に反抗して一日だけ家を飛び出したことがありました。

春が立つ時期に思い出すこの酸っぱい出来事は、すでに両親を亡くしているせいか、今も後悔の念を呼び起こします。

もうすぐ3月。古い自分を脱ぎ捨てて何かを始める、新しい世界へと旅立つ。そんな脱出なら大いに歓迎ですけどね。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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