おらしょ こころ旅

Vol.142

桜始開

2017年3月27日 公開

3月27日は「さくらの日」。3×9(さくら)=27の語呂合せと、七十二候のひとつである「桜始開」が重なる時期であることから、桜を通して日本の自然や文化について関心を深めてもらうことを目的に制定されました。

「七十二候」はちょっと聞きなれない言葉ですが、古代中国で考案された季節を表す方式のひとつで、二十四節気をさらに約5日ずつ3つに分けた期間のことだそうです。

初候、次候、末候とある3つのうち、初候は、雀が巣をかまえ始める「雀始巣(すずめはじめてすくう)」。次候が、桜の花が咲き始める「桜始開(さくらはじめてひらく)」。末候は、遠くで雷の音がし始める「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」。

どれもきれいな言葉の響きですね。

それから今日は、小説『沈黙』で知られる作家、遠藤周作の誕生日でもあります。最近ではマーティン・スコセッシ監督による同名の映画が日本でも公開されました。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

遠藤周作は、1923年東京生まれ。幼年期を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、12歳でカトリックの洗礼を受けたそうです。

大学卒業後、フランス留学を経て1955年に『白い人』で芥川賞を受賞。1996年に亡くなるまで、日本の精神風土とキリスト教の問題を追求した多くの作品を発表しました。

そして今年1月には、文学や宗教、人生の奥深さを語った講演集『人生の踏絵』が刊行されました。その冒頭の一節がこちら!

「私は大説家ではなく小説家ですから、小さな説しか言えません」

この軽妙な語り口も彼の大きな魅力ですね。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタ)

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