おらしょ こころ旅

Vol.108

「現場」でしか感じられないもの

2016年7月25日 公開

ここ数年、年に一度はプロ野球と大相撲を観戦するようになりました。プロ野球は、家族が好きなチームと、それを迎え撃つ福岡を本拠地とするチームの対戦。大相撲は毎年11月に行われる九州場所です。

スポーツ観戦はテレビに限る。ずっとそう思っていました。プロ野球にしても大相撲にしても、試合や取り組みのようすはテレビを観ながら実況を聞いていればよくわかるし、すばらしいプレーや決まり手はVTRで何度も再生されますからね。

それでも「現場」に行こうと誘う家族は、なかなか首を縦にふらないぼくにこう言いました。「CDばかり聴いていないで、たまにはライブに行こうってこと」。

なるほど、「現場」行ってみて、ほんとにそう思いました。

ホームランを打ったときのバットの快音や、スタジアムから沸き立つ怒涛のような観声、立会いのときに力士同士がぶつかり合う激しい音、土俵際の攻防に熱狂する群衆の姿。「現場」でなければ体感できない音や光景がそこにはあふれていました。

スポーツに限らず、芸術だって「現場」に行かなければ感じられないものがあるんでしょうね。絵画と自分のあいだにだけ生まれる特別な想いのようなものが・・・。

現在、長崎歴史文化博物館では、特別公開「新発見! 天正遣欧少年使節 伊東マンショの肖像」が開催されています(2階美術展示室・8月31日まで)。

2014年にイタリアで発見された伊東マンショの肖像画(ドメニコ・ティントレット筆)を中心に、日本とイタリアを結ぶ最初の架け橋となった「天正遣欧使節」を紹介する展示です。

きっと少年から青年へと成長していく過程で描かれたのでしょう。うっすらと髭をはやした伊東マンショの憂いのある表情にあなたは何を感じるのでしょうか。それにしてもイケメンです。ぜひ「現場」に足を運んでみてください。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

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